What's your motto

HR・人事を軸に日本とベルギーでキャリアを歩む”HRのスペシャリスト”【dualoop 中石 郁子】

What's your motto

一貫してHRに関わるキャリアを歩む中石 郁子インタビュー

大学を卒業後、一貫してHR・人事系のキャリアを歩む中石さん。日本ではHRを軸にキャリアを築き、2018年にベルギーへ移住。現在はベルギーのスケールアップにおける人事担当者としてご活躍されています。国を跨ぎながら「キャリアピボット」を体現されている中石さんに、モットーやHRのスペシャリストとしてご活躍されてきたご経験、若者へのメッセ―ジをお聞きしました。

中石 郁子

大学卒業後、ゼンショーホールディングスへ入社。人事部に初期配属されて以降、HRを軸にキャリアを展開。日本で2度の転職を経験し、人材業界の営業や人材開発・採用などに従事。2018年にベルギーへ移住。フリーランスとして人事系の仕事をしていた時期を挟み、2023年からベルギーのスケールアップであるdualoopの人事担当者として活躍中。(2023年11月現在)
☆中石さんのLinkdIn:https://www.linkedin.com/in/ikukonkish/?locale=ja_JP
☆dualoopのHP:https://www.dualoop.com/life-at-dualoop

困難を耐え忍ぶのではなく、自ら動いて楽しむ

会った瞬間から、注目を集めるような魅力を持つ中石さん。「ヒト・モノ・カネ」と言われる経営資源の「ヒト」に関わり続けてこられた経験に裏打ちされた魅力なのだろうか。そんな中石さんのモットーとは?

中石さん:私のモットーは、
【Life is not about waiting the storm to pass. It is about learning to dance in the rain】です。「困難が過ぎるのをじっと待つのではなく、そういった状況を自ら動いて、楽しんでいく」という意味です。日本でも海外でも浮き沈みは常にあります。そいった状況で大切なことは、自分の強みを理解し、自分のやりたいことからブレずに積極的に動くことです。そうやって行動すれば絶対道は見つかりますし、成長することができます。

海外にいると日本よりも予想外のことや、自分にとって不都合なことが頻繁に起こります。そういったイベントに対し、一喜一憂しているとメンタルが持ちません。上手くいかないことが続いたとしても、自分の強みや、やりたいことを持った上でポジティブに行動すると、道は自然と見つかりますし、道を拓いていけます。

日本人は弱みを改善しようと取り組みますが、難しい逆境の状況の中で弱みを改善する時間は無いし、強みを伸ばす方が絶対早いです。たとえ、弱みを改善したからと言っても、他人と比べたら突き抜けることはない。上司からオッケーはもらえるかもしれませんが、強みを伸ばした方が他人と差別化できるので、強みを伸ばすようにして欲しいです。自分が思う自分の強みと、他人が思う自分の強みを持つことが重要です。

HRを軸として成長し続けてきたキャリアパス

これまでのキャリアは一貫してHRに関わり続けてきた中石さん。社会人は常に成長をするべきという考えをお持ちで、大学で学んでいた文学とは違う分野で専門性が必要でした。一貫したキャリアを歩むためにも、HRを軸にシフトチェンジされてきたそうです。

目指す指標が定まった若手社員時代

―HRのキャリアとの出会いを教えてください。

中石さん:海外事業部に行きたくて新卒入社しましたが、初期配属が人事部でした。しかし、海外事業部への想いは変わらず持ち続けており、3年目に念願がかなって海外事業部に配属となりました。しかし、理想と現実は異なり、自分がやりたかった仕事内容ではありませんでした。HRという分野を客観視した時に、改めて面白さを感じました。HRの知見を深め数字を追い求めたいと想い、リクルートへ転職することにしました。

圧倒的自己責任。鍛えられたリクルート時代

―リクルートではどういったご経験をされましたか?

中石さん:リクルートでは営業に苦戦し、なかなか売上を出せないことが多かったです。当時のマネージャーからは常日頃、言語化を求められました。「お客様はなぜ採用したいと思っているのか」「お客様は採用することで何を達成したいのか」など、私がやりがいを感じているところを、ビジネスへ貢献するフェーズまで昇華してくださいました。最終的には売上を立てることができましたし、今のキャリアにも繋がっています。苦労はしましたが、貴重な経験でした。

ゼンショーホールディングス、リクルートでHRとしてのキャリアが定まり、ベルギーへ挑戦することとなります。

レールを外れ、当たり前を捨てて飛び込んだベルギーでのキャリア

―ベルギーに来られた当初はどのような仕事をされていましたか?

中石さん:海外に現地法人がある日系企業に対して、人材紹介を行うNippon Recruitmentに入社しました。これからベルギー国内で新規開拓をするタイミングでパンデミックが起き、事業自体が縮小してしまい、仕事が無くなりました。リクルート時代の先輩から何があっても良い様に、フリーランスのお仕事をご紹介頂いており、それから今の会社に就職するまでは、フリーランス一本になりました。

―日本でのキャリアを捨てて、海外に来られた際には不安はありませんでしたか?

中石さん:日本で当たり前に築いてきたキャリアを捨ててベルギーに来たので、これから自分はどうするんだろうという不安は物凄く多かったですし、不安を抱えている時間はストレスがかかりました。

―どのように不安を解消しましたか?

中石さん:とにかく動き続けました。ベルギー国内だけではなく、ヨーロッパ全体でHR系の人材を探している会社にコンタクトを取り、自分から営業したりなどできることは行動に移しました。HRが軸としてあったので、ある程度優先順位をつけて当たってはいましたが、数を当たることも同時に実施していました。

―今後のビジョンはどのようにお考えですか?

中石さん:今の会社に入社して1か月が経ち、マネージャーをはじめ社員と面談を組み、会社の課題を全部洗い出しました。比較的小さい会社でコミュニケーションは取りやすいので、今後はいくつかの課題に対してアプローチしていきたいです。今後は、会社の規模も大きくなっていくので、そこに関わり続けられたらいいなと思います。

人に関わる仕事のやりがいとは?

―HRに関わる仕事のどのような点にやりがいを感じますか?

中石さん:人を採用することで、ビジネスへの影響や会社が成長している姿を見ると、自分が貢献できていると実感できるので、やりがいとなっています。組織はどこまで行っても「人」で成り立っています。超優秀な人を1つの会社に集めたとしても、組織全体として最高の成果が出せるかと言われると、そんなことは無い。お互いの強み・弱みを補完し合う必要がありますし、人に依存する部分でもあるので、一筋縄ではいきません。そこを紐解いていくのも大きなミッションです。

また、会社として中長期の目標があり、経営資源である「ヒト・モノ・カネ」をどのように動かすかという点において、採用や社員成長に関わる「ヒト」がとても重要な要素となります。採用や人事配置、社員教育などを通じてビジネスと直結しつつ、働く人たちをWin-Winの関係を築ける点はやりがいです。

―HRでキャリアを歩む場合に重要となる考えや心構えはございますか?

中石さん:毎年トレンドが変わる業界ではあるので、常に自分の知識をアップデートする努力は必要です。本や新聞を読んだり、オンラインで情報を集めるのは重要です。また、人は経営資源です。人を採用し動かすことで、ビジネスにどのような影響があるのか。会社の中長期計画に対し、現在のトレンドや市況はどのように影響するか。会社の位置付けはどうなのかなど、ビジネス的な視点や経営者に近い視点を持たないと、人事のキャリアは止まってしまいます。そういった能力を養い続けることが、HRでキャリアを築く重要な要素となります。

中石さんは、「人」に関わるやりがいを日々感じています。

「平面」ではなく「立体」で情報を取りに行く努力を!

これまで中石さんのキャリアを深堀してきました。ひとつの業界や業種に軸を置いて、キャリアをピボットさせる重要性を説いていただきました。最後に若者へのメッセージをお伺いしました。

中石さん:SNSやインターネットが発達し、情報が平面的かつ部分的に伝わる社会になっていると思います。ですので、自分で情報の背景や全体像を掴みに行く努力をしてください。スマホを開けば色々な情報が入ってきて、知ったような気にもなるかと思います。しかし、その情報は断面的ですし、間違っている可能性も高いです。自分でちゃんと調べたり、本物に触れる実体験は情報を正確に入手する上では重要です。日本は、情報が集約されており、自分の引き出しを増やすことが容易にできます。特に東京ほどの大都市は、世界を見渡しても数少ないですし、わざわざ海外に行かなくても本物を手軽に見ることができます。海外に行くことが全てではありません。手段はたくさんあります。目的から逸れることなく、情報を立体的に入手しながら成長してください。応援しています。

 

タイトルとURLをコピーしました