What's your motto

憧れのスウェーデンへ移住|JTC流から「ヨーロッパ流」を目指す働き方【Nao Okamura】

What's your motto

スウェーデン在住Naoさんへインタビュー

日本では、三菱電機・スタイリスト・電通での勤務を経験し、2023年7月からスウェーデンへ移住。今まで培ったスキルを活かしながらフリーランスとしてご活躍されているNaoさんに、これまでのキャリアパスやスウェーデンでの働き方、大切にされているモットー(座右の銘)についてお聞きしました。

Nao Okamura

大学卒業後、三菱電機へ新卒入社。宇宙や防衛関係のプロジェクトへ従事。約5年の勤務後、知人からの紹介でスタイリストへ転身。仕事の関係で電通との関わりがあり、1年後電通へ転職。マーケティングやリサーチ業務を経験後、2023年7月よりスウェーデンへ移住。現在は、前職からの業務委託を受け電通ストックホルム事務所で働きながら、別会社のリサーチャーを務め、翻訳活動も平行して行う。(2023年10月現在)

新しいことへの意欲から日本で経験した2度の転職

日本で今の土台を築いたキャリアパス

―日本では2度転職をされていますが、転職をされた理由はありますか?

Naoさん:キャリアアップのためというよりかは、毎回新しいことをしたいと思い転職しました。新卒で初期配属された宇宙や防衛関係の部署は、業界や商材の性質上、1つのプロジェクト期間が非常に長くなります。「同じ業界で、同じ仕事をこの先もやるのか」と考えた際にクエスチョンが浮かび、1つのプロジェクトが完結したタイミングで退職しました。

―スタイリストへ転身された経緯を教えてください。

Naoさん:以前から着きたいと思っていたスタイリストのアシスタント募集がありました。声をかけてくださる方もいらっしゃいましたので、異業種ではありますがキャリアチェンジをしました。お金やキャリアアップではありませんが、自分のやりたいことを軸に考え、スタイリストへの転身をしました。

―1年間の勤務後、電通へ転職されたのはなぜですか?

Naoさん:「1年やって芽が出なかったら辞める」と決めてスタイリストの業界に入り、諦め時かなと思ったので退職しました。スタイリスト時代に電通と仕事をする機会があり、電通の仕事が魅力的に思えたので電通へ転職をしました。絶対に広告業界が良かったという訳では無く、お仕事の繋がりから電通へ転職しました。

メーカー→スタイリスト→広告とキャリアチェンジをされ、現在はスウェーデンで活躍されています。【本人提供】

スウェーデンへの移住

―電通を退職し、スウェーデンへ移住された経緯を教えてください。

Naoさん:学生時代にフランスへ1年間留学した際、スウェーデンが好きになりました。ストックホルムの街並みに惹かれ、留学中にも関わらず2カ月間遊びに来るほどでした。長年、スウェーデンに住みたいと思っていた最中、パートナーがスウェーデンに住むことが決定し移住しました。

―住む前と後でギャップはありましたか?

Naoさん:特にはありませんでした。人間性も日本人と変わらない印象があり、ヨーロッパの中では日本ぽいと感じます。仕事のやり方もきっちりされているし、効率的な人が多い印象を受けます。

ただ、日本の組織より意思決定のプロセスの透明性は高いです。経営層が何を考えているかを教えてくれますし、どういうプロセスで話が進んでいるかも共有してくれます。日本だと管理職ではない限り、結果しか聞けない場合があるので、透明性が高い点は日本と異なります。

スウェーデンで感じる「ヨーロッパ流」の働き方

Naoさんが目指す「場所を選ばずに働く」という働き方

―ヨーロッパの個々人の働き方にはどのような印象をお持ちですか?

Naoさん:場所を選ばずに働く人が多い印象があります。本社が他国にあっても、週ごとで働く場所を変えながら働く方がいらっしゃいます。仕事さえちゃんとやっていれば、場所は重要ではないので自由度が非常に高いです。

ただ、全員が好きな場所で働くことはできず、出社しないといけない仕事の人もいます。「この人だったら任せられるな」と思わせるために、信頼を勝ち取らなくてはいけません。そこが私の課題で、信頼を勝ち取った先に場所を選ばない働き方ができればいいなと思います。

―日本ではコロナが終わり、原則出社に戻す企業も多いです。ヨーロッパならではの文化が根付いているからできるのでしょうか?

Naoさん:文化的な側面は非常に大きいと感じます。日本だと、「今週は温泉から働きます!」と伝えたら、嫌な顔をする人がいると思います。恐らく働かないと思われてしまうのが日本です。
こっちだと「環境が変わるんだね」くらいで、働く場所を変えるのに抵抗が無く、許容する文化を持つ人が多いです。ある種の性善説で考えていて、信頼があるからこそ成り立つと思います。

短期間の休みでは行けないような山奥や島からでも働けると実感されています。【本人提供】

スウェーデンに根付く「当事者意識」

―上司のマネジメントや企業の文化はどのように感じますか?

Naoさん:無駄なく、効率的にプロジェクトを進めるのが非常に上手いと感じます。ゴールから逆算し、アサインする人数を決めて、誰が何をやるかのマイルストーンを部下に与えます。そこから先は部下の役割。遊んでもいいけどマイルストーンは絶対守るように仕事を進めます。上司はマイクロマネジメント※1をするのではなく、最後の完成物だけを見るマネジメントが多いです。「ゴール設定のアクションを決めるところまではやるけど、そこから先は上司の仕事では無いよね」という感覚だと思います。自分の仕事を俯瞰的に判断し、選択と集中が上手です。

―部下としては責任も大きいような気がしますが、いかがですか?

Naoさん:責任は大きいけど、自由度が高いので好きな場所で働ける環境が構築されていると思います。また、「当事者意識」を持って仕事をしないといけません。スウェーデンでは小さい頃から「自分で決める」という思考が身に付いています。高校卒業後に学びたいことがまだ無いから一度就職して、見つかったら大学に行くルートも一般的です。先ほどお伝えしたマネジメントにも表れていると思いますが、スウェーデン人は自分で決める習慣が身に付いているので、「当事者意識」を持って仕事をする必要があります。

岡村さん曰く「ビジネスを新たに創ろうと意気込まなくても、踏み出してみると学びであったり出会いがあると感じたカンファレンス」だそうです。【本人提供】

モットー:誰からも学ぶことがたくさんがある

―スウェーデンに移住し大変なこともあると思いますが、大切にしているモットー(座右の銘)はありますか?

Naoさん:誰からも学ぶことがたくさんあるです。私は2023年7月からに移住し、誰よりもスウェーデンについて知らないと思います。知らないことが多いので、自分より年下の人にも質問をしますし、自分の方が年上だから仕事を選ぶようなことはしません。

―年下の人には質問しづらいと思う方もいらっしゃると思いますが、抵抗はありませんか?

Naoさん:私よりも一回りも若い人の方が知っていることもたくさんあります。デジタルネイティブ世代の流行について、私が分からないことは多いです。世代が変わると教育されたことや話す内容、考え方などが大きく変わるので、年齢関係なく学べることが多いです。若い世代を下に見るべきではなく、同等な存在として考えています。

「なんとかなる!」からこそ「やってみればいい!」

―最後に若者へのメッセージをお願いします。

Naoさん:どんなことでもなんとかなります。私もキャリアを結構変えていますが、なんとかなってここまで来ました。だからこそ、何か気になっていることがあるなら、始めてみてください。5年後に始めるよりも、今が一番若いです。仕事をやりながらでもいいので、なんでも始めてみてください。応援しています。

 

※1マイクロマネジメント:上司やリーダーが部下や新人の行動を細かく管理・チェックし、過干渉してしまうマネジメントのことです。具体的な例として、業務の進捗状況について頻繁に細かな点まで報告を求める、電話のかけ方やメールの文面について口出しをするなどが挙げられます。
【マイクロマネジメントとは?部下へ及ぼす悪影響や改善策も紹介】
https://survey.lafool.jp/mindfulness/column/0057.html

 

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