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マイクロソフトシンガポール・岡田 兵吾ロングインタビュー【前編】

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【リーゼントマネージャー】岡田 兵吾氏ロングインタビュー【前編】

【リーゼントマネージャー】

リーゼントマネージャー?!そんな人いるの?と思うかもしれませんが、本当にいました…。Microsoft Singaporeでアジア太平洋地区本部長を務め、20年近く海外でご活躍されている【リーゼントマネージャー】こと岡田さんです。今回は、前編・後編に分け、前編では若者がキャリアを築く上でのアドバイスをお聞きしました。
岡田兵吾ロングインタビュー【後編】はこちら

好きなこと×得意なことで築くキャリアパス

あなたの好きなことは何? まずは、自分の好きなことに挑戦

岡田さん:若い世代の人にとって大切なことの一つは、自分のやりたいこと・好きなことに対して忠実に、どんどん挑戦するということです。好きなことに挑戦をしながら、自分の得意なことを伸ばしてほしいですし、その方が成長スピードも速いです。

例えば、自分は話すのが得意だと思っていても、実際に働いてみたら営業が苦手だと気付くこともあるでしょう。文系だけど、最先端のAI技術や量子コンピューターに興味があり、小説や文献を読んで知識を得るのが好きな方もいらっしゃいます。はじめは、そのワクワクに従って挑戦してみることから初めてみると良いのではないでしょうか。

好きと得意は違う場合が多いと思いますが、それでも問題ありません。まずは、自分の好きなことをやってみて、自分の得意なことを見つけて伸ばしていく発想を持ちましょう。

得意なこと=他人から評価されること

岡田さん:自分の得意なことは他人から評価されることです。「他人」というのは、同僚でも先輩でもお客様でも誰でもいい。とにかく誰かひとりでも「あなたのここがスゴイね!」と言われる点が、あなたにとって得意なことです。

好きなことが得意な場合もあるけど苦手な場合もあるし、また別の興味があったことの方が自分の得意分野かもしれません。好きなことをどんどんやった先に、何か得意なところが見えたり、貢献できるなと思ったらそこを磨く。周りと比べても「私できるな」と思えるぐらいまで得意なことを伸ばしていく。すると、強い武器が身に付いていくような感覚になるので、そこを目指してみてください。

上記に加えて、他人から評価されたことを自ら掘り下げてみると、自分の武器がより鮮明になります。プロジェクト管理が評価されたとします。それを掘り下げてみたところ、エラー対応が得意で上手く管理できたのかもしれません。他にも、オペレーション対応なのか、人を巻き込んで仕事を進めることだったのか。自分の得意をより深く分かるようになると伸ばしやすくなります。

海外でキャリアを築かれてきた岡田さん。マイクロソフト シンガポールにて取材に応じていただきました。

いろんな世界を知ることで選択の幅を増やす

岡田さん:好きなことをまずやってみて、それに付随して自分の得意なことを磨いていく。プラスして、若いうちにやっておくべきことは、色んな世界を知ることです。それぞれの国・民族・分野にそれぞれの魅力があって、「こんな仕事や生き方があるんだ!」と受け入れてみてください。

目的は2つあって、1つ目が、新しい世界を知ることで、自分の可能性がどんどん広がる。2つ目が、潰れそうになった時の逃げ道になる。です。外的要因や人間関係によって、人は潰れそうになる時もあります。環境や働き方が合わなくても、違う環境だったら合うかもしれません。
「新卒の仕事ほどおみくじに当たるようなものはない」と言われるように、やってみて自分が苦手だと思ったら、自分で変えるのもキャリアの選択としては正しい決断です。また、社内でパワハラを受けたり、この環境が合わないなと思ったら辞めるのも勝ち。自分を潰してまでやることではありません。キャリアパスをいつでも変更できる状態を作っておくことがとても重要です。

海外での常識? 2年キャリアサイクル

岡田さん:経験値を積むためには、2年は真剣にやった方がいいと思います。1年目は目の前の仕事を必死に覚えて、2年目は自分なりの改良を加え、周りからも貢献が認められるレベルにする。そういう意味で2年くらいは同じ仕事をやった方がいいと思います。石の上にも3年と言われますが、3年は長いと思います。海外のキャリアサイクルだと2年ごとに変える人が非常に多いです。

海外にいると、国によって時間の感覚が違うことに気づきます。日本の小中学校の授業は約1時間授業ですが、シンガポールは30分単位だったりします。時間への感覚が、デジタル化が進み、豊かな国となったシンガポールの成長の源だったりします。日本人が海外で活躍したいと思うなら、変化に追いつき追い越すためにリスキリングが重要ですし、海外だと「外国人」として扱われる中で、付加価値を出せるスキルを身に付けることがマストです。

ソフトスキルを伸ばすべし!

岡田さん:スキルには、ソフトスキル※1とハードスキル※2があって、私はソフトスキルの方が大切だと考えています。ソフトスキルに含まれるコミュニケーション能力や、リーダシップを身に付けていると、様々な国の人をマネジメントできます。利害関係者を一つの目標に向かい、達成するために動かせる能力を身に付けることは大切です。これから先に必要なのは、よりグローバル化する世の中であらゆる人と関係を築けるソフトスキルです。みなさんもソフトスキルを身に付ける努力をしてみてください。

コミュニケーションをとるための具体的なヒントや、海外から見た日本の現状、Z世代へのメッセージは後編に続きます。

岡田 兵吾

マイクロソフト シンガポール アジア太平洋地区ライセンスコントラクトコンプライアンス本部 本部長 兼 グローバルリーダーシップメンバー。
アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトにて、日本・アメリカ・シンガポールを拠点に26年間勤務。NHK Eテレ、TOKYO MXテレビ、NewsPicks、PIVOTなどメディア出演多数。シンガポールドラッカー学会元理事。IE Business Schoolアルムナイ・シンガポール支部初代会長。著書に『残念なビジネス英語』(アルク)、『武器になるグローバル力 外国人と働くときに知っておくべき51の指針』(KADOKAWA)、『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)がある。『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)はAmazon「ビジネス英語一般」9か月連続1位。韓国、台湾でも翻訳されベストセラーとなっている。Twitter:@phoenix_hugo

 

※1ソフトスキル:業務遂行のベースにある能力や個人特性のこと。多くの社会人に求められる基本的な能力ともいえます。
※2ハードスキル:職種ごとに求められる専門的な知識や技術のこと。
スマカン【ソフトスキルとは? ハードスキルとの違いや種類一覧を紹介】

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