What's your motto

学業とサッカーの両立・人類学を研究しながらプロを目指す大学院生兼サッカー選手【KU Leuven在学・田嶋 翔】

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目の前に広がる世界に対し「アンテナを張る」ことで気づきを深める

ベルギーの首都ブリュッセルから電車で揺られること30分。こじんまりとした街並みが広がる学生都市、ルーヴェンに到着します。この学生都市の大学院に通いながらサッカーに打ち込む田嶋 翔さん。大学院では、修士論文作成の真っ最中。学業に専念しながら、プロを目指してサッカーに打ち込む田嶋さんにインタビューしました。

田嶋 翔

マレーシア・クアラルンプールで幼少期を過ごした経験を持つ。暁星高校在学時にはフランスへ1年間留学。筑波大学へ進学し、国際関係学・言語人類学を専攻。蹴球部に所属し、4年次には副将を務める。大学卒業後、プロサッカー選手を目指しベルギーへ移住。ベルギー3部(アマチュアトップリーグ)のUR Namurに所属しつつ、KU Leuven・社会文化人類学の修士課程に在学中。(2023年11月現在)
Twitter:https://twitter.com/shotash15
Instagram:https://www.instagram.com/sho.tashima/

サッカー×学業の両立=人と違うこと

プロサッカー選手からの逆算で選んだベルギー

現在、プレミアリーグで活躍する三笘薫選手をはじめ、多くのプロサッカー選手を輩出している名門・筑波大学蹴球部に所属し、卒業後はベルギーへ渡った田嶋さん。学生時代から学業にも力を入れており、大学時代は言語人類学を専攻し、コミュニケーションについて研究。大学院でも引き続き人類学を研究し、修士論文を作成されています。田嶋さんがベルギーへ来た理由とは何だったのでしょうか?

田嶋さん:プロサッカー選手になる目標はずっと持っていて、大学卒業後はヨーロッパでプロを目指そうと考えました。その中で、フランス語を伸ばしたい想いと、プロまでの道のりが一番近い国はどこかを踏まえてヨーロッパの国をいくつか検討しました。その中で、日本人選手から人気のある周辺国と比較して、ベルギーでプレーするアマチュア選手は少ないですし、競合が少ないのでプロになれる可能性が高いと考えました。また、ベルギー人が持つ、日本人に対するイメージは非常に良いですし、ベルギーのサッカークラブにコネクションを持つ知り合いがいたので、チームを見つけやすい状況も後押し、ベルギーに決めました。「人と同じことをするのが嫌」という価値観は小さい時から持っており、日本人選手が少ない国で勝負することに決めました。

ベルギーでの挑戦を開始するにあたり、ビザが必要だったので、トライアウトの合格通知を頂いてから大学院を探しました。就労ビザもありましたが、サッカーはアマチュア契約ですし、働くとなると仕事がメインになってしまう懸念がありました。大学時代に学んだ人類学を極めたいと思っていましたし、サッカーを引退した後のキャリアでも生かせると思ったので、進学を決めました。大学院に合格できたので無事に学生ビザを取得し、ベルギーでプレーできています。

プロを目指しながら大学院でも研究をされ、忙しい毎日を過ごされています。(写真右から2人目)

異なる文化を持つ人種が互いにコミュニケーションを取るには?

大学時代は、パンデミックに関する蹴球部のコミュニケーションについて研究をされました。大学院でもコミュニケーションについて研究されているそうです。

田嶋さん:大学院では、色んな文化をバックグラウンドに持つ選手達とどのようにコミュニケーションを取り、成果を出すかについて研究しています。自分が所属するチームを研究対象にしつつ、様々な日本人の知見をまとめています。高校時代にフランスへ留学した経験があり、当時はコミュニケーションに苦労しましたし、どのように適応すればいいのかについて興味が湧きました。将来的にも、日本人選手の海外挑戦や、外国人選手が日本に来た際に、コミュニティレベルで自分の研究が一助になると考えています。自分の経験や多くの知見を踏まえ、修士論文でまとめていきたいです。

高校時代からサッカーだけだとつまらないと思っており、本当に学びたいことを軸に大学の志望学部を決めました。サッカーが常に軸としてありますが、サッカーと何かを掛け合わせることで、他人と差別化するようにしています。

自チームを研究対象にしながら、多国籍選手とのコミュニケーションを研究されています。(写真右から2人目)

サッカーを軸に、より多くの人を幸せにする人生のミッション

サッカーと人類学を掛け算させながら、プロサッカー選手を目指しつつ、チームビルディングにおけるコミュニケーションを研究されている田嶋さん。サッカーだけでなく、学問の道も極めており、博識である印象も受けます。今後のキャリアパスやビジョンはどのようにお考えなのでしょうか?

田嶋さん:抽象的ではありますが、「より多くの人を幸せにしたい」「小さな幸せを届けたい」という人生のビジョンがあります。サッカー選手かもしれないし、指導者なのか、はたまたサッカーと人類学を掛け合わせてオーガナイズするようなものかもしれない。もちろん身体が動くうちにプロ契約を獲得し、もっと高い競技レベルでサッカーをやりたいです。ただ、せっかく人類学を学んでいますし、サッカーやスポーツを人類学と掛け合わせている人は少ないです。さらに、サッカーを高いレベルで経験した人類学の専門家は圧倒的に少ないので、そういった分野で活躍できるイメージはあります。今のところ、具体的な行動レベルには落とし込めてはいませんが、長い期間をかけてビジョンを達成したいです。

小さい頃から今まで家族からの支援もあり、サッカーを続けることができていますし、サッカー中心の生活を送ることができています。家族との会話も自然とサッカーになるし、ベルギーで経験できていることも貴重なことです。だからこそ、僕の経験や研究したことを今後の日本サッカー界に残していきたい想いがあります。インターナショナルな視点での組織論やマネジメント、コミュニケーションなどの視点からサッカーに携わることができればいいなと思います。

将来はサッカー界にも貢献したいという熱い想いを持っています。

目の前のごみを拾える人間に

サッカーと人類学をミックスされている田嶋さんの経歴や現在の活動、今後のビジョンについてお聞きしてきました。そんな田嶋さんを突き動かすモットー(座右の銘)にも迫りました。

田嶋さん:私のモットーは、「目の前のごみを拾える人間になる」です。高校サッカー部のスローガンで、「色んなことに気づける人間になる」ということです。常にアンテナを張り、様々な違いに気づけるかどうかで世界は大きく変わります。ごみだけでなく、例えば道端で助けた人がどこかの偉い方で、そこから仕事を頂けるかもしれない。この考えを大切にしていますし、そういったメンタリティーで常にいるようにしています。

敏感かつ繊細な性格は長所と短所の表裏一体

田嶋さん:自分の性格が繊細かつ敏感で、色んなことに気づいてしまい、必要以上に真に受けたり、考えすぎてしまう側面もあります。ベルギーに来た当初は環境の違いで過剰に反応したり、無視していいことも気にかけてしまうことが多かったです。常にアンテナを張り、色んな事に気づくのは長所だと思いますが、同時に短所にもなります。ただ、プラスの面が大きいからこそ、時には過剰に反応してしまう自分を受け入れるようにしています。日本も海外も関係なく、生きている限りは大変なことばかりですが、自分自身を客観視しながらどのように対処していくかのマインドセットは常に持っています。

常にアンテナを張り、「なぜ?」を追求する

最後に、日本の同世代へメッセージをお聞きしました。

田嶋さん:大前提として言語は非常に重要です。小中高の学校教育における言語教育の在り方は頻繁に議論されていますが、個人でも学んだ方が良いと思います。

また、常にアンテナを張り、色んなことに気づける能力を鍛えてみてください。表面的に見える容姿の違いではなく、より深層部の違いに気づく能力です。例えば、ヨーロッパではカフェの文化があり、コーヒーがよく飲まれる一方、日本ではお茶が主流です。そういった違いに気づき、「なぜだろう」と気づきを深めていける能力は鍛えておいてもいいと思います。当たり前にあるものに対して「それってなんでなんだろう?」と掘り下げていくのが、人類学の大きなマインドセットとしてあります。これは日常生活や仕事、学業にも生かせる考えですので、意識して鍛えてみてください。

 

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